英語音読のやり方と注意点

学校であれほど英語の勉強をしたのにちんぷんかんぷん…。それは音読をしてこなかったからかもしれません。音読の楽しさを実感してもらうためにも、私なりの効果の出る音読のやり方と注意点をお伝えしていきます。

音読の本質は聞くことにあり

日本語の音読と違って、英語の音読ではとりあえず読めばいいというわけにはいきません。英文を見ただけでそれを声に出して読める人がいるとすれば、それはそもそも英語ができる人です。

英語の勉強のために音読をするなら、まず正確に英語が話せる人に音を教えてもらって、発音を真似するところから始めることになります。

 

音読の上達=真似の上達

音読の上達は、真似の上達にあります。真似といっても声色の真似ではなく、音の出し方や息継ぎ(ブレス)の仕方などの真似です。

それも全てを模倣することを目標に行えなければ、音読が英語の習得には繋がりません。歌でいうところの完コピを目指すわけです。

 

雰囲気を写しとるだけなら、英語のスピーキングの後に続けるだけでもそれらしくなりますが、完全にコピーするとなると、注意して聞くという行為なしでは行えないでしょう。つまり、集中してリスニングすることに音読の成功があるわけです。

 

音読するときの注意点

一番初めにその英文に触れる時は、ながら学習は避けてください。テレビの視聴や食事といった行為の最中のリスニングは避け、耳からの情報に集中できる環境で音読の基礎を作ります。

母音の発音やアクセント、文章の上がり下がりなど、音そのものだけではなく、出し方や強弱の正確さを細かく捉えられるように聞くのがコツです。

 

音読をするときは、自分の出している音にも同様に意識を向けます。しっかりとお腹から声を出して、普段無意識に響かせている音に耳を傾けましょう。

音読に慣れてつっかえることなく読めるようになったらそれを録音して、お手本の発音の後に続けて再生してみると、客観的に聞けて上達のほどがわかりやすくなりますよ。

本物の英語を音読することに意義がある

英語を音読という手段で学習するときの注意点は、「ネイティブに通じる英語になるように」音読するところにあります。

実際の単語や英文の発音を無視して、自分で勝手にイントネーションを付けた音読を重ねても意味はありません。音読学習法といえど、最初は正しい聞き取りからスタートするべきなのです。

 

音読教材を選ぶときに注意するべき点

正しい音読を行うために、まずネイティブの人が話す正しい英語が聞ける音源を手に入れましょう。英語学習用のCDでも、ラジオやテレビ番組や洋画で聞ける声を参考にするのでも良いです。

重要なのは正確な英語かという部分にありますので、ぜひ信頼のおけるものを見つけて下さい。ただ音源の中で話している英文は、できる限りその意味も綴りも認識できる状況にあった方がよいので、耳から聞こえる英語が目で見える文字になっている状態のものから探すのが効率的です。

 

音読自体は単純だが、意識の持ちようで効果は全然違う

音読のお手本となる音源を入手したら、後はそれを繰り返し聞いて耳に焼き付けて、同じ発音を目指して声に出して読むだけです。

単純な学習法ですが、聞いて読んでの往復を何度でも続けることで、英語は次第に耳や口に馴染んでくるので、短時間では終われません。

始めは一単語ずつゆっくりと大切に読んでいきます。次第に一固まりの文章の流れやリズムを意識して読むようにして、意味や文法にも注意を払いながら音読をしてと、文字数の少ない文章でも長い道のりになります。

 

テキストとにらめっこする勉強法と比べて、音読は手軽な手段ですが、問題と答えのような区切りが存在しない分、達成感が少なく、根気も必要になるので、その意味では本人の頑張りが命なのです。ただし、効果は確実にあります。一緒に頑張っていきましょう。

音読はなぜ英語学習に欠かせないのか

音読は英語を英語のまま理解するために行う

音読は、なぜ英語を学習する上で欠かせないのでしょうか。それはズバリ、「英語を英語のまま理解するため」に他なりません。

 

たとえば、英文を黙読しながら学習している人の特徴として、頭の中で日本語に意味を変換しながら読んでいるという点が挙げられます。

つまり、「この単語の意味はこうで、熟語の意味はこう。だから日本語ではこういう意味になる」といったことを考えながら読んでいるわけです。

しかしその方法では、いつまで経っても、英語を英語のまま理解することは難しいのです。そこで大切になってくるのが、音読を用いた英語学習です。

 

効果が出る音読のやり方

まず下準備として、英文に出てくる単語と熟語の意味などをしっかり理解しておきます。理解し終えたら、そこから初めて音読を開始するようにしてください。

英文の意味はある程度把握している状態なのですから、音読をするときにはまずは正しい発音で読み上げることに集中しましょう。

 

音読を何度も繰り返していると、次第に英文とその内容が、自然と頭の中でリンクするような感じになっていきます。その感覚こそが、「英語を英語のまま理解する」ということなのです。

 

「英語を日本語に訳せること」と「英語を使いこなせること」は実は全く異なった技術です。そのため英文の黙読を繰り返し、どれだけ日本語に訳せる能力が向上しても、それだけでは英語を話すことはできません。

もっとストレートに言えば、黙読がうまくても英語を本当の意味で理解したことにはならないのです。

 

音読をすることで、英語を英語のまま頭の中に取り込む回路ができあがってきます。そうなれば、英会話でも相手の英語を瞬時にその内容とリンクさせられるようになってきます。これが最も重要なのです。みなさんもぜひ、英語学習に音読を取り入れてみてください。

ネイティブな発音を手に入れたい!音読の参考書として選ぶべき本とは?

これまでも繰り返し述べていますが、英語学習においてネイティブな発音を手に入れるためには、音読は必要不可欠です。

では、どんな本や文を元にして音読学習をすればいいのでしょうか? 恐らく誰もが悩むことだと思います。そこで、今回は音読学習に向いている英語の本や英文について紹介したいと思います。

 

◇英語の教科書はNG

まず参考書として使用してはいけない本に、中学生や高校生の英語の教科書が挙げられます。

 

皆さんも「日本の教育課程で学習する英語は実用的ではない」という言葉を耳にしたことはないでしょうか?

これは事実であり、英語の教科書では妙にかしこまった表現や現代では使用されていない表現が題材になっていることがあります。

いくらネイティブな発音を手に入れても、間違った英語を頭に叩き込んでしまう危険性があるので、英語の教科書を参考にするのはおすすめしません。


初等教育向けがおすすめ

音読の参考書として使用するならば、初等教育向けの英語本が最適だと思います。なぜなら、小説や中等教育以上の参考書になると理解できない単語がいくつか登場してその度に手を止めることになるからです。

「単語も覚えられて一石二鳥じゃないか」と思われるかもしれませんが、実際そんなに都合のいいことはありません。

ネイティブな発音を身につけたいのであればせめてその時は、発音を身に付けることだけに集中する必要があります。だからこそ難しい単語の少ない初等教育向けの英語本がおすすめなのです。

 

欲を言えば日本人向けに作られたものではなく、現地で販売されている本を購入出来ればベストです。

最後にネイティブによる音声が収録されたCDが付属していることは最低条件なので、購入時にはしっかりとチェックしてください。

私が実践した英語音読の学習方法

英語に限らず、「見る・聞く」だけでなく「書く・話す」ことが学習には効果的と言われていますよね。私も読み・書きだけではなく、音読をすることで英語に対する苦手意識の払拭や慣れを養ってきました。

ただ私はいきなり英文に当たらずに英単語帳を活用した音読を実践していたので、他の音読を実践されている方とは少し違うかなと思います。今回はその私の体験をご紹介しようと思います。

 

どうして英単語の音読から始めたのか?

私が英単語から始めたのは単純に知っている英単語が少なすぎたからです(泣)

 

そんな超初心者だったので、付属CDを聞きながら英単語帳にある発音記号をカタカナに直すことから始めました。

ただし、そのカタカナは鉛筆で薄く書くようにしていました。後で消すためです。最初はなかなか音と結びつけにくかったので書いていたわけです。

 

次にCDを再生しながら英単語を読んでいきます。

英単語帳の最初からなので、かなり簡単な英単語も含んでいましたが、発音の練習と耳の慣れも兼ねてやっていました。

でも、知っている単語で英語の音に慣れていったのは意外と効果的で、やっておいて良かったと今でも思っています。

 

レコーダーで自分の英語を確認

私はレコーダーを用意して自分の声を録音していました。自分の声を聞くのは気恥ずかしいんですが、復習と発音の確認を兼ねていたので、エイヤーと気にせず、電車内などでイヤホンをしながら聞いていました。

おかげで英単語のボキャブラリーを増やすとともに、しっかりとした発音も身に付けることができたので、その後の英文音読の基礎を築くことができたと思っています。最近ではiPhoneなどに録音機能もついていますので、ぜひご活用下さい!

知らないと英語力が付かない!学習効果が半減する音読5つのNG行為

間違った方法で音読をしていると、英語力が伸びるどころかあらぬ方向へとずれてしまうことになります。正しい音読を知って、英語力をグングン伸ばしていきましょう。

今回は学習効果が半減する音読5つのNG行為をまとめてみました。前回の記事と重複しているところもありますが、ご了承ください!

 

reading-aloud.hatenablog.com

 

1. 付属CDを聞かない

参考書に付属しているCDは、ネイティブが正しい発音で文を読み上げてくれるもの(のはず)です。

それを「面倒だ」と再生しない、聞かないという方は多いと思いますが、こと音読に限っていえばリスニング・リピーティングと合わせて初めて効果が出るものなので、付属CDは必ず聞くようにしましょう。

 

2. ネイティブの発音を真似ていない

恥ずかしさからか、付属CDを聞いても日本語の発音で音読している人が多いですが、これでは英語の流れを再現できず英語力がなかなか身につかなくなってしまいます。

加えてネイティブな発音が身につかないので、英会話などにまったく役に立たなくなってしまいます。恥ずかしさは捨ててしっかりと発音を真似ましょう。

 

3. 文の意味や構成を理解していない

文の意味や構成を理解しないままなんとなく音読してはいませんか? 理解していない文が頭の中にしっかりと残ることはありません

例えば、意味を知らないヒンズー語をいくら音読しても頭に残りませんよね。それと同じです。まずは意味や構成を理解するところから始めましょう。

 

4. 文の意味を意識しながら音読していない

文の意味や構成を理解していても、音読時に頭の中で文の意味を意識しながら音読しなくては効果半減です。

せっかく意味を理解したのですから、しっかりとその意味を意識に残しつつ音読するようにしましょう。

 

5. 2~5回の音読で終わってしまう

重要なのは何度も何度も繰り返し音読することです。

その回数は5回や10回ではなく20回以上が最低基準です。長文だとそれだけの回数を繰り返すのは時間的に難しいので音読一回あたり30秒程度で終えられる文量の英文を教材にしましょう。

何度も音読をすることで「英語を英語のままで理解できるる」ようになり、英語力が飛躍的に伸びていきますよ。

 

以上、英語学習における、学習効果が半減する音読5つのNG行為でした。

英語の音読をするときの注意点

英語学習をする際に音読が効果的と言われていますが、ただダラダラと流し読みするだけでは意味がありません。音読をすることで英語力をアップさせるためには幾つかの注意点があるのです。

 

分からない単語は全部調べておくこと

英語を音読する際には、分からない単語をそのままにしていたのでは、頭の中に内容が入ってきません。

まずは分からない単語をひとつひとつしっかりと調べておくことが大切です。

 

できれば発音記号を単語の横に書いておき、それを見ながら発音すると良いでしょう。ただし、音読を始めたばかりの頃は、発音ばかりを意識していると声に出せなくなるので、慣れてきた頃にやることをおすすめします。

 

ネイティブの発音をしっかりと真似ること

音読をするときには、自分の勝手な思い込みの発音で読むのはやめましょう。何の役にも立ちません!

ネイティブのきちんとした発音を聞いておき、その発音を真似ながら音読します。音源がない教材は音読初心者には不向きなので、初心者のうちはやめておいたほうがいいと思います。

 

また音読するときには、ひとつひとつの単語をなるべく丁寧に発音しながら読みましょう。読み急いでしまうと大切な部分を流してしまいます。焦る気持ちはわかりますが、最初ほどゆっくり音読してください。

 

文節に注意しながら読むこと

日本人が英語を音読すると、どうしても棒読みになってしまいますよね。それを避けるためにもネイティブ音源をしっかり聞いて、時間があればリピーティングもしましょう。

そうやって実際にネイティブが英語を話しているのを真似すると、日本語よりも抑揚があるのがわかってくると思います。

 

これもただ言葉を上げ下げしながら話しているのではなく、文節に従っているのです。

音読するときにはネイティブのモノマネをすることで、自然と文節ごとに意味を理解しながら読んでいくことができるようになるです。